営業において、説得力・交渉力は不可欠なもの。これまでは自己流で身体で学ぶというのが主な方法でしたが、説得のメカニズムを「科学」しておけば、誰でも効果的に説得力を身につけられるのです。

 交渉や説得が一段落すると、多くの人が一喜一憂して終わってしまいます。たとえ成功した場合でも、プロセスと方法論が確立されていないとすれば、それは単なる偶然にすぎず、次回も成功するという保証はありません。

 また、説得に失敗し、落ち込んでいるだけでも意味がありません。次のチャンスに成功するためには、毎回、説得ケースを正確に分析し、それを自分と組織の知識(知的資産)として蓄積していかなければなりません。

 説得力を継続的に向上させるには、次の10項目について評価と分析をくり返しましょう。その結果、場当たり的な即興劇から継続的に改善できる技術体系へと変えていくことが可能になります。

説得後に
評価・分析すべき10項目

(1)目標は達成できたか
(2)用いた技法のうち、どれが効果的だったか
(3)用いた技法のうち、どれが効果に乏しかったか
(4)それを客観的に記述できるか
(5)相手の態度を変容させた場合、それはどれくらい持続するか
(6)後日、逆説得を受けた場合、相手はどれくらい耐えられるか
(7)相手はあなたのことをどのように思っているか
(8)将来も接触する可能性はあるか
(9)状況要因(時間、場所、服装、あなたと相手との関係など)は、説得にどれくらい影響したか
(10)もし、失敗したと思うならば、次はどのように対処すべきか