アップルは10月28日に、2013年7~9月期(第4四半期)の決算発表を行った。売上高は375億ドル、純利益75億ドル。前年同期は360億ドルと82億ドルだった。売上高は向上したが、純利益は前年を下回った。
注目されていたiPhoneの売り上げは、前年同期の2670万台から26%増加し、3380万台。これには発売後3日間に900万台売り上げたiPhone 5s/5cの10日間分の売り上げも含まれている。これはiPhoneが売れていない、苦戦だと報道されていた内容とは逆の数字だ。
一方、iPadは1410万台を売り上げたが、前年からは横ばい。2012年9月期はiPad1機種のみで、2013年はiPadとiPad miniを投入していたことから、iPadの需要を2種類できれいに分けたことになる。Macは460万台を売り上げたが、前年の490万台から減少した。
iPhoneもiPadも、米国でこれから始まる感謝祭からクリスマスにかけてのショッピングシーズンに向けて、前年を上回る販売への期待がかかる。それだけに、先週発表された新型iPadがどのように市場に受け入れられるかへの興味が高まっている。
大きさにかかわらず性能は変わらない
新しいiPadのラインナップ
その決算の約1週間前となる10月22日に、アップルは新型となる「iPad Air」と「iPad mini Retinaディスプレイモデル」を発表した。それぞれ、iPadシリーズとしては5世代目、iPad miniシリーズとしては2世代目となり、いずれも高精細のRetinaディスプレイとiPhone 5sにも採用された64ビットのA7プロセッサを搭載する。つまりiPad AirとiPad miniは画面サイズだけ違う全く同じデバイスになったのだ。
デジタル機器に限らず、一般に機械は大きい方が高性能に設定されていることが多く、性能が劣っていても、小さくて軽ければどこか許せてしまう感覚はなかっただろうか。
しかしアップルの場合、iPad AirとiPad miniはサイズの大小はあるが全く同じ性能に揃った。大は小を兼ねるのか、はたまたその逆なのか、デバイスそのものを性能とサイズで選ぶこと自体が、「時代遅れ」であると突きつけられたような気がする。