多くの業界紙は、対象となる業界の代弁者だ。業界に波紋を呼ぶような記事は書かないし、プレスリリースをそのまま並べたような記事も目立つ。なにしろ、掲載される広告は、業界のものばかり。攻撃的な筆致で追求するような記事があれば、広告収入の減少に直結してしまう――。
そんな意識のまま、医薬経済社が発行する「医薬経済」と「リスファクス」を読むと、面食らうに違いない。
業界の東スポ
表紙を開いた最初のページにある国会議員へのインタビューで「族議員をどう考えていますか」と議員本人に質問している。
さらに読み進めると、「疑われる医局員たち」「日薬の弱腰」「嫌みに皮肉すら返せず」と、センセーショナルなタイトルや見出しが並ぶ。
その攻撃的なスタイルから、藤田貴也編集長は取材先の大学教授から「業界の東スポと言われたことがある」という。
近年は、業界内では攻撃することはタブー視されていた日本医師会の歪みについての連載を掲載し話題となり、書籍化もされている。