日本でもドル資産投資ブームは起こるか?

 翻って、日本への集中投資はリスキーである。日本の個人の金融資産は、世界で最も金利が低く、世界で最も借金の多い国である日本の円資産に集中している。アベノミクスの効果が注目されるものの、日本経済は、今後2年連続で消費税増税(合計13兆円)の影響を大きく受けるため、低成長から容易に脱却するとは思えない。加えて、少子高齢化、巨額の累積赤字などの構造問題は深刻だ。国債や円の暴落も、全くありえない話ではない。そうであれば、リスク分散が不可欠ある。

 日本では長らく、レアルや豪ドルの投資信託が人気を集めてきた。米国投信ブームは、始まったばかりである。これまで米国は低金利であったために、その市場規模が格段に大きいことを考えると、日本の個人投資家による米ドル投資の構成比率は著しく小さい。日本の個人投資家は利回り嗜好が強いだけに、米国金利が今後上がるにつれ、日本でもドル資産投資ブームが起こるだろう。しかし、相場のピークで投資したのでは儲からない。時機の見定めが肝心である。


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