医薬品のネット販売を規制する薬事法改正法案が、自民党内の正式な手続きを経て了承され、次いで閣議決定もされました。一見すると正式な手続きを経て今臨時国会に提出されるように見えますが、それは法案完成後の提出に至る過程だけです。法案の中身の決定までの過程に注目すると、官僚の暴走と言って差し支えないくらいの厚労省の杜撰さが目につきます。

霞ヶ関での政策決定や法制定の作法

 通常、政府の各省庁が新法の制定や法改正を行なう場合、そこで実現しようとする政策の中身について、民間有識者で構成される審議会などの場で検討した上で、具体策を決定します。

 もちろん、審議会などのメンバーは官僚が選んだ政府寄りの学者や財界人などで構成されますし、大抵の審議会では、そこに提出される資料や議事進行のシナリオもすべて官僚が用意しています。

 即ち、審議会などでの議論は、基本的には官僚によるお手盛り感満載の出来レースなのですが、それでも、表面的には民間有識者の意見を拝聴しつつ法案の内容を決めたという体裁は整えられるので、官僚だけで独善的に決めたことにはならないのです(ちなみに、審議会などの答申の形で法案の中身が決まったら、パブリックコメントを募集して広く国民の意見も聞いたという体裁を取る場合も数多くあります)。

必要なプロセスを完全に飛ばした
厚労省官僚の杜撰さ

 こうした手続き的な面から今回の薬事法改正法案の中身の決定に至るプロセスを見ると、所管官庁である厚労省の異常なまでの杜撰さが目につきます。