しかし、若者は違います。「とにかく将来に備えなくてはいけない」という不安が強い。年金問題もそうですが、将来の日本の重荷を負担する側としてのプレッシャーを抱え込んでいるような側面もあります。

上田 なるほど。しかし、今後はこのミニマムライフ世代が社会の中枢を担っていくわけですよね。やはり日本経済に与える影響はかなり大きい気がします。

竹中 よい例が、「自動車の販売台数」です。ここ数年間で、新車、中古車とも目に見えて販売数が落ちて来ています。それに伴い、自動車雑誌も売れなくなりました。これは人口減少や都心回帰の影響もありますが、ミニマム世代の消費動向も少なからず反映されているはずです。

 自動車だけでなく、消費者がお酒を買えば行政の収入になる「酒税」も、この5年間で2割近く、15%も減少しています。もちろん、発泡酒などの税金が安いお酒の需要が増えている影響もありますが、やはりミニマムライフ世代の影響は無視できないでしょう。

上田 確かにすごい消費の落ち込み方ですね。

竹中 それに加えて、最もわかりやすいのが「消費性向」、つまり所得が100あれば、それをどれだけ使っているかという目安になる指標です。男性を見ると、1970年前後は所得の9割を消費に回していましたが、現在は7割強しか使っていません。女性のトレンドは男性と少し違いますが、やはりバブル以降は下降トレンドにあります。