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次世代「アップルTV」への布石か!?
アップルの3次元スキャン企業買収に思惑が広がる

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第274回】 2013年12月11日
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 テレビに限らず、他の製品でも同様の空間の中でのジェスチャー入力が使えるだろう。もし、アップルが「モノのインターネット化」に積極的に進出して、身の回りの生活関連のモノを開発したりするようになれば、そうした製品をジェスチャーで操作できる。

 もうひとつの大きな分野は、自動車である。アップルは、大手メーカーと提携してiOS関連技術を車内に統合する見通しだが、その操作がジェスチャーになるかもしれない。運転中ならば、スクリーンに目をやらずにジェスチャーで地図を呼び出したり、電話をかけたりできれば便利である。音声入力と同じくらいに有力な技術だろう。

立体的な地図データを
3次元スキャンで入手する?

 だが、もう1つ、まったく異なった利用方法もあるとされている。それはマッピングだ。

 つまり、上に挙げたようなジェスチャー入力は3Dセンサーを使った入力方法だが、アップルは外界のデータを取り込むマッピングにプライムセンスの技術を用いるのではないかというのだ。プライムセンスをカメラに統合し、回りの空間をスキャンして3次元データとして取り込むような使い方だ。

 アップルは、屋内のGPSデータ取得技術を持つ会社をすでに買収しており、その技術とプライムセンスの技術を合わせれば、屋内の3次元画像データをアップルの地図に統合することができる。グーグルはすでにレストランの中まで入っていって店内を見回せるような画像をグーグルマップで提供しているが、アップルも同様のことをより詳細なデータで見せるのではないのかというわけだ。

 いずれにしても、もうデジタル世界は3次元化している。今後の技術は、もはやコンピュータの静的な画面だけでなく、奥行きのある実世界とのつながりがカギになる。プライムセンスの買収は、アップルのそんなアプローチを示していることは間違いない。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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