キャッシュフロー計算書の構造を押さえよう

 本書では貸借対照表と損益計算書から厳選した100の勘定科目を選び、解説を進めています。キャッシュフロー計算書に出てくる大部分の言葉は、BSとPLに現れるものとほぼ同一です。CF計算書は大きく3つのCFに分けて開示されます。典型的なCF計算書の姿を、次に紹介しましょう。

米国10-K、10-Q、8-K、20-Fを押さえよう

 海外の決算書類と言えば、きらびやかな写真で彩られたアニュアルレポートを想像します。財務諸表に加えて、Letter to shareholders(株主への手紙)の中で、今後の経営方針や自社の優位性などについて、経営者が自らの言葉で語っています。アニュアルレポートは経営と英語と会計を一石三鳥で学ぶのに、もっともすぐれた教材かもしれません。読者の皆さんも、好きな商品を作っている会社や気になる経営者のいる企業のアニュアルレポートを、webから検索・閲覧してみてください。

 ほとんどの企業が鮮やかな写真で彩られたアニュアルレポートを発行していますが、じつは作成の法的な義務はありません。これらはあくまで株主を初めとするStakeholdersたちへの会社案内なのです。

 一方、米国証券取引委員会(SEC:U.S. Securities and Exchange Commission)が公式的に作成を義務づけている資料があります。以下に簡単にまとめてみましょう。


 10-Kのことをアニュアルレポートと表現する場合もありますが、両者の違いを明確にするには、作成が義務づけられている10-Kを、Annual report on Form 10-Kと呼ぶのがよいでしょう。