堀江『未来の働き方を考えよう』は、うちの母にも読ませてあげたいなと思っていて。じつは僕、クルマどころか、マンションを買ってくれってずっと言われてるんですよ(笑)。「私はマンションの管理人をやるんだ」って。

ちきりん 買ってあげればいいのに(笑)。

堀江 でも僕は、「そういうのはダメだよ」って、いつも母に強く言ってます。

ちきりん なるほど、自立しろ、ってことですね?

堀江 そう。だって、それこそ「ストック型」の人生じゃないですか。新しく人間関係をつくっていくのが面倒くさいとか、不安だからといって、そんなことをやっていたらダメですよ。僕がよく言ってるのは、それこそさっきの話で、あと40年も生きるんだから、僕がいなくても生きていける力を身につけないといけないって。

ちきりん それはそうですね。堀江さんのお母様は、今おいくつなんですか?

堀江 63歳だったと思います。で、祖父も祖母も90歳を越えてまだまだ元気なんですね。だから絶対に母も、少なくともあと30年は生きると思いますよ。

ちきりん 60歳から守りに入っちゃ、人生長すぎますよね。

堀江 息子から買い与えられたマンションの管理人なんか、絶対ダメでしょ?

ちきりん 今から起業するくらいの意識じゃないとダメ、ってことなんでしょ?(笑)。

堀江 そうなんです、そうなんです。だから、そういう話をずっと母にしていて。

ちきりん なにか、変わりました?

堀江 じつは最近、育児ボランティアを始めたんですよ。

ちきりん えー! そうなんですか。新しいことを、始められたんですね。

堀江 僕は、ほんとうに昔からずっと言い続けてきたんで。

ちきりん それはすごいです。

堀江 言わないと、ほら、そうならないですから。

ちきりん 60歳を越えたお母様が変われたんだから、どんな人も変われる可能性は十分にありますよね。

堀江 もちろんです。変わらないといけないですよ。自立しないと。

ちきりん 言い続けていたら、誰でも変わる可能性がある――。

堀江 だから僕は本を書き続けているし、ツイッターやメルマガなんかでも言い続けています。

ちきりん お母様、そんな面倒見のいい息子さんを持てて、やっぱり幸せですね。

堀江 ええ、まあ……。でも、あいかわらず「そんなことでいちいち電話してくるなよ」ってことで電話してくるので、正直、面倒くさいです(笑)。

ちきりん 電話くらい受けてあげるべきですよ。親孝行してください。

堀江 5回に1回くらいはちゃんと受けてますよ。偉くないですか?

ちきりん 全然偉くないです(笑)。