昔はバンドを組んで音楽に熱中した。だからまた大人バンドを組んで楽しもう。それは趣味としてはいいことだろう。しかし、ここで言っている意味とは違う。

 私も、原点Can、つまりそもそも私が一番好きで恵まれていた才能と、もう1つあった探求心や分析力が開花して育んできた大人Canを掛け合せたときに、私なりにユニークな能力を見つけることができた。どちらか一方では差別化にはならない。いくら私がしゃべりがうまいとしても、それで一流のアナウンサーになれるわけもない。

 こんな人もいた。同じ年齢の友人で、彼も経営コンサルタントだった。彼は絵を描くのが好きで、得意だったらしい。大学受験に際しては、親に嘘をついて美術系の大学に進んだ。ところが学費の滞納からそれが親にばれて、辞めさせられて、別の一流大学に入り直して経営コンサルタントになる。しかし、44歳のとき、期せずして私と同じ日に会社を辞めて、陶芸の勉強を始めた。芸術の道が忘れられなかったのだ。職業訓練学校に入って技術を中心に学んだ。プロになるべく陶作を始めたのだが、それは正直、趣味の域を出るものではなかった。ところがしばらくして、彼もそれを悟ったのか、陶芸ショップを始める。経営コンサルの知識と才能、そして芸術に対する造詣があったので、店はゆっくりとだが成功した。そんな開花の仕方もあるのだ。

 さて、あなたの原点Canは果たして何だろうか。多くの人はそれを封印している。封印を解いても、それを仕事に活かす方法がわからない。一度、活かし方がわかったら、その人は幸せだ。ごく一部の人は、封印を解き、その活かし方も考えて会社に提案して採用されたり、ことによると会社を辞めてまで新たな挑戦を始める。

 辞めると将来に不安があってもイキイキしている。好きなことを生活の、いや人生の真ん中に置けるからだ。

 正月休みは終わってしまったが、新春にそんなことを考えてみてはいかがだろうか。

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筆者である野田稔さんと伊藤真さんが塾長を務める
人材の再教育を通じて雇用の流動を高め、社会全体での終身雇用を目指す
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