給与水準、労働市場規模、失業率など
UIターン就職したい「就業幸福県」を探せ
前回は、優良企業の立地状況、共働き率、イクメン率の3つを指標に、UIターン就職先として「ワークライフ・バランスのよさそうな県」を探ってみた。今回は「給与水準」「労働市場規模」「失業率」「自治体の経済力」などを手がかりに、各県の平均的な年収や仕事の得やすさ、行政・財政力からくる生活水準といった、もっと現実的な指標を基に「就職幸福県」を分析してみよう。
ピックアップする都道府県をスクリーニングするための一次データとしては、厚生労働省や総務省、内閣府が発表しているデータに加えて、これまでと同様、「ダイヤモンドD-VISIONシリーズデータベースサービス 役員・管理職情報ファイル」を参照する。
まずは、仕事をする以上、誰しもが最も気になるであろう都道府県別の給与水準から見ていきたい。
表1は「1人あたり県民雇用者報酬(2010年度)」について、表2は「サラリーマン年収(2012年)」について、東京都を除く「上・中位県」を並べたものである。なお今回は、改めてスクリーニングの対象を広げるために、一都三県・東海・中京・京阪神の大都市を含む都府県以外の全ての道県から絞り込んでいく。
まず言葉の定義であるが、「雇用者報酬」とは、産業、政府機関(国・地方自治体)、公共・社会サービスなど、あらゆる生産活動に従事する雇用者に対して、現金または現物で支払われた報酬の総額のことであり、生産活動から生じた付加価値のうち、雇用者に分配された分の総額(社会保険の雇用主負担分を含む)に等しい。