たしかに、青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が血液の循環を良くし、血栓ができるのを防ぐ効果があることは広く注目されている。青魚のなかでもサバは特にそれら成分が多いことで知られ、脳梗塞や心筋梗塞、高血圧、肝臓病、肺がん、トリ目、かすみ目、口内炎、白内障など多くの疾患に対する予防効果があることが指摘されている。

 サバはまた、ビタミンB2も豊富なため、シミ・そばかすなどの防止にも役立つと言われている。つまり、女子力アップには欠かせない食材でもある、という訳だ。

 サバの美肌効果に目覚めるまで、池田さんは1ヵ月のコスメ代に10万円も使うほどのコスメフリークだったそう。そのお肌に対する投資熱は並々ならぬものがあり、これまでの投資金額を合計すると「美白御殿が建つくらい」と言い、一時期は「5種類のコンシーラーを千手観音で使いこなしながら」美肌の維持に努めてきた。

 それがある時、本格的に薬膳を学び、変わった。「内側からキレイになった方が安上がりじゃん!」と、目から鱗の現実に気がついてしまったからである。

 以来、「とりあえず体内に突っ込め!」と、閉店間際のスーパーに駆け込んではサバを買い、頑張ってさばき、カレー粉をまぶして焼いたり、トマト煮にしたり、と薬膳的にもいろいろと試しながら調理をしていた。だが、仕事は不規則で、定期的に徹夜しなければこなせない編集業。根が「ものぐさ、雑、適当」な性格ときている。無理せず美肌食材を食べ続ける方法はないか、と悩んでいる時、コンビニの棚に燦然と輝く缶詰たちを発見した。

 故・スティーブ・ジョブスばりに既成概念を覆すレボリューションを思いついた池田さん。「これだっ!」とサバ缶に飛びつき、ついにはこんな本まで上梓した。

 題して『缶詰deゆる薬膳。』(池田陽子著、宝島社)。

 ゆるゆる、ものぐさ、適当な性格でも実践できてしまう画期的な薬膳の方法を発見した訳である。

「全日本さば連合会」を結成
会長はサバニスト、そしてサバジェンヌ誕生へ

「うーむ。ということは、その本がサバジェンヌの始まりだったという訳ですか?」

 せっかちな筆者はつい、先を急ぎたくなってしまう。しかし、サバジェンヌこと池田さんは「まあ、待て」と言わんばかりにそれを制した。

「いえいえ、そこからまた、別のご縁が始まる訳です」