Jリーグのサポーターやファンはリーグ戦を最重要視する傾向がある。1シーズンを通して(1チームにつき)ホーム&アウェー34試合の長丁場で争われ、クラブの総合力が問われる重いタイトルだ。だからといって毎試合スタジアムが満員になるわけではないが、各クラブに根づいた熱心なサポーターはシーズンシートを購入するため、それなりに安定した集客は見込める。2013年のJ1リーグの平均観客動員数は1万7226人だった。

 だが、天皇杯はリーグ戦よりもはるかに歴史のある大会(1921年に始まって昨季で第93回を数える)にもかかわらず、観客の入りは少ない。元日に国立競技場で行われた決勝(横浜Fマリノス-広島)こそ4万6000人あまりの観客が集まったし、準決勝2試合も2万人以上が観戦したが、準々決勝4試合は1万人前後、本田がゴールを決めたイタリア杯5回戦(ベスト16)に相当する4回戦8試合は、いずれも観客は1万人に満たなかった。甲府―札幌戦に至っては523人である。

日本でカップ戦が
盛り上がらない理由

 観客が少ない原因はいろいろ考えられる。まずメディアの扱いがリーグ戦に比べて少ないこと。タイトルがかかる決勝はもちろん、勝ち残りクラブが絞られてくる準々決勝あたりからは大きく報道されるようになるが、それ以前の試合は新聞にもスコア程度しか載らない。ニュースになるのはアマチュアのクラブがJリーグクラブを破る番狂わせを起こした時ぐらいだ。

 大会日程が発表される時点で試合会場が決まっているのも観客動員に響いてくる。リーグ戦は各クラブが試合の主催権を持つが、天皇杯の場合、主催権を持つのは各都道府県サッカー協会で試合は全国各地で行われる。ベスト16くらいまで残るのは大体Jリーグのクラブであり、最近は勝ち上がりそうなJリーグクラブのホームを会場にする配慮が見られるが、そのクラブが勝ち残るとは限らない。試合をする両クラブとは縁もゆかりもない場所が会場になることもあるのだ。