その結果、本業の収入は微増していくものの、普及の度合いによって、累計4.9兆~6兆円に及ぶ“隠れ債務”ともいえる負担が発生することがわかった(詳細は『週刊ダイヤモンド』2月1日号の28ページに掲載しているのでご覧ください)。

 となれば、ドコモが今、野菜宅配会社などを買収し、コンテンツサービスなどに利用していくという「新領域」の戦略がうまくいっても、本質的な成長にはつながらなくなってしまう。月サポの負担が携帯電話収入の伸びを消してしまうからである。

 もっとも、坪内和人副社長が「14年度は月サポの負担が増えるが、15年度にある程度は戻る。競争力がつけば月サポに頼らない戦略が取れる」と言うように、月サポという“麻薬”を断ち切れば、こうはならない。

 だが、それができるのか。

 ドコモは、今期営業利益8400億円が最重要課題だ。月サポを増やしても、その分、別のコストを削減すれば利益が出ると考え、その負担を先送りしている。

 ただ、他キャリアとの競争を考えれば、今後そう簡単に月サポを断つことはできないだろう。

厳しさを増す競争に
捨てられない既存顧客が
ドコモを追い詰める

 ドコモを取り巻く外部環境は大きく変わっている。他キャリアが競争力をつけて攻め込んでくるばかりではなく、グローバルなIT企業もどんどんとドコモの顧客を奪っている。

 その中、まだ従来型の携帯を大事に使うシニア層らを守っていかなければならない。

 実は、契約者全体に占める、第3世代(3G・FOMA)の利用者は、まだ全体の約7割もいる。とりわけ、地方部ではLTEよりも安いFOMAで十分という利用者も少なくない。

 それが足かせとなり、スマホ時代へのさまざまな移行が遅れている。さらに、ほぼ無借金経営ということもあり、「競争に負けているという認識すらない」(NTT関係者)という。

 だが、このままではドコモの成長は見通せない。iPhoneで復活することが叶わない今、まさに正念場を迎えている。