いったい、いつ成果が出るのか──。市場関係者からは、焦りとも取れるような発言が相次いでいる。

2014年3月期第2四半期決算で、NTTドコモの加藤薰社長は冬・春商戦で挽回する旨を強調した
Photo by Takeshi Kojima

 iPhone導入後、初の決算発表を迎えたNTTドコモ。業績への影響が注目されたが、結局、「営業利益8400億円の目標は据え置き」で現状維持となった。年間の純増数の目標についても、今期185万件と、こちらも据え置いた。上半期の純増数が23.6万件だったことを考えると、この半年で得た件数以上を毎月、重ねないと達成できない計算だ。

 ドコモがiPhone導入で期待した効果は、大きく二つある。

 まず、顧客流出を防ぐことだ。ドコモは、電話番号持ち運び制度(MNP)の利用者が毎月10万件を超えていた。他社によるiPhoneの安売りも一因だったため、“止血効果”を狙った。

 次に、従来型携帯電話からスマートフォンへと機種変更を促すことである。次世代高速通信LTEサービスの利用につなげることでより高額なデータ通信料金に収入モデルをシフトさせ、1契約当たりの月間平均データ通信料収入を反転させるのが今期の目標だ。

 だが、現時点では力不足である。低迷しているドコモの起爆剤になるとの見方もあったが、効果が表れるのには、年明けから来春まで時間がかかりそうである。