外国株のエキスパートが初めて明かす、個人投資家のための外国株投資法。連載最終回の今日は、著書『外国株一筋26年のプロがコッソリ教える 日本人が知らない海外投資の儲け方』で紹介している75銘柄のなかから、ETFについて、紹介します。
韓国は先進国? 新興国?
今日は、拙書『外国株一筋26年のプロがコッソリ教える 日本人が知らない海外投資の儲け方』の中から、ETFについて抜粋してお伝えしたいと思います。
連載の第1回目でお話ししたように、ETFは、投資信託の一種で、株式市場で取引されています。コストが低く、取引もしやすいため、ADRとともに、本書でおすすめしている投資商品です。
ETFにはさまざまな種類のものがあります。新興国関連のETFもたくさんあります。
新興国全体に投資するETFの中で、代表的なのは、ニューヨーク証券取引所に上場するバンガードの「バンガードFTSEエマージング・マーケットETF」(ティッカー:VWO)でしょう。
このETFは、2013年1月9日までは「MSCI新興市場(エマージング・マーケッツ)インデックス」をベンチマークにしていたのですが、2013年6月28日からは「FTSEエマージング・インデックス」にベンチマークを変更しています。
この2つの違い、わかりますか?
カバーしている国や業種、銘柄ともに違いがありますが、なかでも大きな違いは、「MSCI新興市場インデックス」には韓国とギリシャが含まれているのに対し、「FTSEエマージング・インデックス」には含まれていないことです。
韓国と言えば、サムスン電子がおなじみですが、「FTSEエマージング・インデックス」には韓国が含まれていないため、結果的にITセクターの比重が低くなる一方、金融や資源セクターの比重が重くなっています。
一方、「MSCI新興市場インデックス」には、本来なら先進国とみなされてもおかしくない韓国が含まれているので、韓国株相場や、サムスン電子の株価の影響を受けやすい構造となっています。
毎年のように、MSCIが韓国を新興国から先進国へ格上げするだろうとの観測が出ているのですが、なかなかそうなりません。
理由のひとつとして、MSCIは韓国株が下落することを避けるために、韓国を新興国に据え置いているのではないかという見方があります。