アップルが動くとS&P500も動く
新興国ETFの中には、普通の株価指数ではなく、「均等加重株価指数」と呼ばれる特殊なインデックスに連動するタイプのものもあります。
ほとんどの株価指数は、時価総額の規模に応じて構成銘柄の比率を決めています。規模が大きいものの比率は高く、小さいものは低いのです。
たとえば、アップルの時価総額は、米国はもちろん、世界でも最大規模です。そこで、米国の代表的な株価指数「S&P500」の時価総額の4.4%を、アップルが占めています。
一方、「S&P500」で一番、時価総額が小さいのは、チタニウム・メタルという会社で、わずか、0.008894%しかありません。
こうなると、アップルの値動きが指数全体に大きく影響します。アップルの株価が少し動いただけでも指数は動きやすいのに対し、チタニウム・メタルが大きく動いたとしても、指数はびくともしません。
ところが、「均等加重株価指数」なら、話は違ってきます。この指数では、アップルの1%の上昇分と、チタニウム・メタルの1%の上昇分が、指数全体の動きに与える影響はまったく同じになります。
つまり、均等加重株価指数は、時価総額加重平均方式にくらべて、小型株の値動きが反映されやすいのです。
下の図は、「MSCI新興市場インデックス」(時価総額加重平均方式)と、「MSCI新興市場均等加重インデックス」の保有銘柄の比率の比較です。
「MSCI新興市場インデックス」では、サムスン電子が3.37%ですが、「MSCI新興市場均等加重インデックス」だと0.13%に下がり、指数に与える影響が小さくなっているのがわかります。