「何の支援も受けていない」が最多
水面下に埋もれた当事者をどう支援するか

 困難を有するに至った経緯について、複数回答で聞いたところ、「わからない」が312件と最も多く、全体の24%を占めた。経緯がわかると答えた内容については「本人の疾病・性格など」(292件)「就職したが、失敗した」(210件)「不登校」(190件)「家族や家庭環境」(136件)と続いた。

 困難に至った経緯を年代別でみると、10歳代、20歳代では、「不登校」が多かった。また、30歳代、40歳代では「失業」が増えた。

 一方、40歳代以降になると、経緯が「わからない」と答える割合がそれぞれ3割を占めるようになり、言葉を封じ込めたまま時が経つにつれて、直接の原因や因果関係がわかりにくくなっていく実態も示されている。

 さらに、支援の状況については、「何の支援も受けていない」が複数回答で456件と、断トツで多かった。当事者の多くは、支援から置き去りにされるなどして、「支援につながっていない」状況が浮き彫りになっている。

 必要な支援策についても、複数回答で聞いたところ、「支援・相談窓口の周知・PR」が909件と最も多く、情報の重要性を訴える。そして「専門的な医療支援・カウンセリング等の充実」が894件、「総合相談窓口の充実」が628件と続いた。

 調査を通じて、民生委員らからは、「親がいなくなれば心配」「家族はひきこもりのことを隠したがっている」「どこに相談に行けば、適切な支援が受けられるのか知りたい」などと、「この先、どうなるのかわからない」といった将来への不安を感じる声が数多く寄せられたという。

 ただ、家族が本人の存在を隠したがるだけでなく、当事者や家族の中にも、「自分は問題になっていない」「引きこもっているわけではない」と思い込んで、相談にもつながらないケースが、水面下に数多く埋もれている。