だが、一筋縄で攻略できない新興国・途上国市場に、近年、少し異なる観点からアプローチする企業が出始めた。「インパクト・インベストメント」という投資を活用している企業だ。

新興国・途上国のソーシャル・ビジネスに
投資をするインパクト・インベストメント

「インパクト・インベストメント」とは、収益だけでなく、社会や環境への貢献も重視した投資を指す。主な投資対象は新興国・途上国でのソーシャル・ビジネス、すなわち社会的な課題(教育の質向上や無電化農村対策など)を解決するビジネスだ。

 そもそも、インパクト・インベストメントは、欧米の大手投資銀行がプライベート・バンキングサービスの一環として、もしくはロックフェラー財団などの援助団体が、援助の持続性を高めるための支援として行われてきた。

 日本ではまだまだ新しい考え方ではあるが、昨年、このインパクト・インベストメントの考え方を取り入れて、投資を行う日本企業が現れた。それがベネッセ・ホールディングス(以下、ベネッセ)である。世界第3位のこの教育事業者は、2013年5月に「ベネッセソーシャルインベストメントファシリティ(BSIF)」 という、1500万USドルの投資枠を設立した。

 すでにBSIFは、2013年11月に、第一号投資案件としてインドのICT教育事業会社に出資を行っている(表参照)。今回はBSIFを担当しているグローバルソーシャルイノベーション部(当時)の三木貴穂部長と近藤篤課長に、なぜインパクト・インベストメントと言う手法を採用したのか、その動機・狙いを中心に話を伺った。