三木 しかもソーシャル・ビジネスは、必要な資金がなかなか行き渡らない領域。だから、お金を持っている我々が投資するというアプローチ方法があるべきだと思いました。インパクト・インベストメントは、私たちにとって現地のソーシャル・ビジネスの世界に入っていく上でのツールだと考えたんです。

 さらに彼らに投資をしながら彼らのビジネスの展開ノウハウを理解することで、私たち自身がイノベーティブに変身していくきっかけにもなると思いました。

金銭的リターンだけが狙いではない
投資した先にある真の目的

しかし、ソーシャル・ビジネスは、三木部長が最初に感じていたように、小規模で採算性が必ずしも高いとはいえない事業者が多い。本当にそんな事業者に投資できるものなのかという疑問を持つ読者の方も当然いるだろう。

三木 インパクト・インベストメントは、やっぱり難しいです(笑)。

 単純に投資案件として考えると、リスクとリターンが合いにくい。でも、それでいいんです。私たちは、投資したお金が返ってくる部分だけを狙っているわけじゃない。

 ベネッセとして狙っているのは投資先を“活用”することによって、「他の大きな事業領域が狙える」、「別の新興国に展開して大きな売上や利益につなげられる」といった「蓋然性」の部分なんです。

しかし、新興国で簡単に投資可能な案件を見つけることは難しそうに見えるのだが……。

三木 投資可能かどうかは別として、投資案件候補を見つけることについては、結構楽観的です。「ベネッセは社会の課題を解決したい、自分たちはこういうことができて、こうするとこの国の教育が変えられると思う」という議論を、途上国でソーシャル・ビジネスに関わる人たちとするんです。