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「世界のコンピュータは5台に集約」が実現!?
過熱する世界のクラウド競争

 

林 雅之 [国際大学GLOCOM客員研究員(NTTコミュニケーションズ勤務)]
【第40回】 2014年4月4日
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追いかける国内勢、グローバルクラウドの
展開ではNTTコミュニケーションズ

 AWSやIBM、マイクロソフト、そして、グーグルなどが、グローバル市場で優位を占める中、国内勢の追い上げにも触れておきたい。

 NTTコミュニケーションズはグローバルクラウドビジョンを発表し、ネットワークやデータセンターからサーバーやアプリケーションまで、通信事業者であるキャリアクラウドとしての強みを生かし、クラウドサービスをグローバルシームレスでサービス展開している。

 同社は、エンタープライズ向けのクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」と、低価格で300を超えるAPIを備えた「Bizホスティング Cloudn(クラウド・エヌ)」を提供している。

 「Bizホスティング Enterprise Cloud」は、海外のクラウド事業者と比較してもトップクラスの海外拠点となる9ヵ国11拠点のデータセンターからクラウドサービスを提供している。これまで、HOYAやヤマハ発動機、TOTO、ファーストリテイリングなどの国内大手のグローバル企業が基幹システムの基盤として採用するなど、大手企業のグローバル展開での活用例が増加している。

 中長期的には少子高齢化などの人口減少に伴う国内市場の縮小が予想されるなか、グローバル市場への展開力は、クラウド事業者選択のポイントとして重視されるようになっていくだろう。

クラウドサービスは
事業者淘汰の時代へ?

 米ガートナーは2013年12月9日、ラスベガスで開催された「Gartner Data Center Conference」で、クラウドサービスプロバイダーのトップ100の25%は、2015年までに淘汰されるという調査結果を発表している。

 淘汰される原因には、他社による合併吸収や倒産などをあげており、その結果クラウドサービスの永続性は保証されず、顧客自身が注意を払ってクラウドサービス事業者を選択する必要性を示している。

 2006年11月、当時のサン・マイクロシステムズCTOのグレッグ・パパドポラス氏は、「世界に“コンピュータ”は5つあれば足りる」(The World Needs Only Five Computers)という予言をしたように、今回のAWSやグーグルが主導する大幅な値下げよる体力勝負の競争が進めば、規模の経済(スケールメリット)が有利に働き、規模に劣る事業者の淘汰が始まっていくことも否定できない。

 今後は、クラウドサービスの機能や価格競争だけでなく、周辺のビジネスモデルやエコシステムが差別化要因になり、新しいアイデアを生み出しモデル化していく先見性も事業者に求められていくだろう。

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林 雅之
[国際大学GLOCOM客員研究員(NTTコミュニケーションズ勤務)]

政府の情報通信政策やクラウド案件などの担当を経て、2011年6月からクラウドサービスのマーケティングを担当。 一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA) 総合アドバイザー。著書『オープンクラウド入門』『オープンデータ超入門』(以上、インプレスR&D)、『クラウド・ビジネス入門』(創元社)等。

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