日本企業からも、セコイア・キャピタルの投資先に投資

 ハイム・サドガー氏の投資先は、Collactive社、DensBits社、Discretix社、indeni社、Interlude社、Kaminario社、Kontera社、Pyramid社、Taykey社、Wilocity社の10社である。暗号技術に基づくDRMソリューションのDiscretix社の技術は、世界各国の携帯電話事業者に導入されている。

 実は、セコイア・キャピタルの投資先には、日本企業からも投資されている。SANストレージソリューションのKaminario社へは三井物産の投資子会社から投資、TayKey社へはソフトバンク・キャピタルが投資しており、グローバルに活躍する2社らしく、さすがである。

 サドガー氏のイグジットとしては、2004年シスコシステムズに買収されたActona社、2009年Motorola(買収当時、その後Motorolaは、Googleへ売却され、Motorolaの事業体は2014年3月現在Lenovo社が事業存続している)のイスラエルで最初の買収となったBitband社、同年Telefonicaに2億700万ドルで買収されたJajah社、2011年Akamaiに2億6800万ドルで買収されたCotendo社、2012年SingTelに3億2100万ドルで買収されたAmobee社などがある。

 ヨアブ・シェイクド氏の投資先は、EndoChoice社、Endospan社である。なお、タル・モーゲンスターン氏の投資先は公開されていない。

 本稿では、セコイア・キャピタル・イスラエルのパートナーの投資実績を紹介してきたが、ライトパーソンは、シミル・レビ氏、ギリ・ラナン氏、ハイム・サドガー氏の3氏であろうか。もし、読者の皆さんが起業大国イスラエルへハイテクスタートアップを探しに行くなら、まず、セコイア・キャピタル・イスラエルの彼らを訪ねてみるのもいいかもしれない。


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