セコイア・キャピタルのイスラエルでの活動と成果

 セコイア・キャピタルのイスラエル進出は、2001年。これまで5つのファンドを組成し、合計8億ドル集めている。当然、セコイア・キャピタルが投資するからといって、全てが成功するわけではない。

 同社の2014年3月末時点の投資先ポートフォリオは、30社。これまで、イグジット(Exit)が34社、会社消滅が7社である。イグジット先34件のうち、1億ドル以上の売却が13件で、その13社の合計だけでも25億ドルを超える。イスラエルにも投資する知人のベンチャー・キャピタリストによれば、この成果は業界的には立派なものだという。

 セコイア・キャピタルのイスラエルHP上公開されているイスラエルのチームは、5人。シミル・レビ(Shmil Levy)氏、タル・モーゲンスターン(Tal Morgenstern)氏、ギリ・ラナン(Gili Raanan)氏、ハイム・サドガー(Haim Sadger)氏、ヨアブ・シェイクド(Yoav Shaked) 氏である。各人の投資先、イグジット先を紹介する。

 シミル・レビ氏の投資先は、BigPanda社、Forter社、Kenshoo社、Olive Software社、Personetics社、Pontis社、Ravello社、Scodix社、Zazma社の9社である。SEMツールで評価を得ているKenshoo社は、2008年から日本でも株式会社アイレップが代理店を務めている。XMLのオートメーション技術のOlive Software社、金融ソリューションのPersonetics社、仮想化技術のRavello社なども、すでに定評がある。

 レビ氏のイグジットとしては、レッドハット(RedHat)に1億600万ドルで買収されたQumranet社、シスコシステムズに買収されたRiverhead Networks社などがある。

 ギリ・ラナン氏の投資先は、AcousticEye社, CloudShare社、Innovid社、Mintigo社、Moovit社、Seculert社の計6社である。ビデオ広告ソリューションのInnovid 社は、自動車、家電メーカーを中心に、日本企業を含む100社以上のグローバル展開する企業で導入されている。サイバーセキュリティ・ソリューションのSeculert社、セキュリティ・モニタリング技術のAdallom社なども評価が高い。

 ラナン氏のイグジットとしては、2011年3月、フェイスブックに買収されたフューチャーフォン向けアプリケーション開発のSnaptu社、2013年10月、同じくフェイスブックに買収されたモバイルデータ通信管理・データ圧縮サービスのオナボ(Onavo)社がある。