事業縮小の理由を、リーマンショックによる不動産不況だという声もあったが、私はそんな単純なことではないと思っている。私も含めて各関係者の意見を集約すると、オークションサイトが上手くいかなかった理由は以下の二つに集約される。

①物件数が少なすぎる

 日本各地の不動産物件が掲載されていて数は多いのだが、各エリア単位では数が少なく、結果的に購買対象物件になるものが少なすぎたのではないか。まずは対象エリアを定めた方がよかったのではないか。

②売れ残りと思える物件の掲載

 サイト運営会社に一定の手数料をとられるわけだから、売りやすい物件は仲介業者が自ら買い主を見つけられる。サイトに掲載していたのは、買い主を見つけられなかった売りにくい物件が多かった。

『住まいのバトン』が示唆する
不動産オークションの可能性

 しかし、この入札方式による不動産売買に新たにチャレンジする企業が現れた。それが以前、ダイヤモンド・オンラインで紹介した(参考記事:業界常識を覆すウェブサービス登場 2014年は中古マンション市場に大変革が起こる!)大和ホームズオンライン社だ。同社では、運営するサイト『住まいのバトン』において、先に述べたような“不動産売買における情報の非対称性”を排除した不動産流通事業を展開している。

 具体的には、自社が取り扱う(仲介する)売却物件を、不動産鑑定士が鑑定を行い、さらには一級建築士が調査をし、適切な査定金額とこれらの鑑定書付きで公開している。その上で、売り主(現所有者)の売却希望価格を掲載している。透明性のある売買仲介の方式だ。

 サイトは「売出し価格に納得性があるか」との問いかけを売り主には送り、不動産鑑定士と一級建築士による査定を無料で行う。その査定金額を考慮して、売り出し希望価格を提示してください、というシステムだ。

 同社のサイトでは、2013年の年初から行っていた取り扱い物件の入札システムを2013年11月にいったんストップし、システムと利便性の強化を図っていた。