信頼という「見えないインフラ」構築が
EGGエネルギー社の強み

ヤン 僕たちは農村部までの物流網の構築と、農村での安定した電力供給サービスの提供に力を入れています。EGGエネルギー社と契約した家庭には、スタッフを派遣して蓄電池からの配線やLED電球の設置、もちろんアフターサービスなども行います。こうやって農村部に入って各家庭を相手にビジネスするには、長老などの村の有力者などとの信頼関係の構築が絶対に必要です。

 そもそも農村部への流通にはコストがかかる。先進国とは異なり、ここでは人がコスト管理の鍵です。彼らが円滑にオペレーションを行えば、コストは不用意に増えることはない。だから農村部を含めて、関わる人々との信頼関係という「見えないインフラ」が非常に大事なのです。創業してから5年近くになりますが、EGGエネルギー社が安定してビジネスを行えているのは、農村部での堅実なオペレーション体制を構築してきたからです。

このタンザニアのBOPベンチャーは、どのようにして世界第2位の電気事業者・ガス事業者であるGDFスエズ社と出会ったのだろうか。

ヤン それは結構単純な話でね。共同創設者の一人がフランス人で、そもそもフランスの社会起業家たちと強いネットワークを持っていたんです。そのネットワークを通じてGDFスエズが手がけるファンドの存在を知り、アプローチしたんです。

アフリカ市場を理解したい大企業
その関心を刺激するアプローチ

 GDFスエズ社のファンドに目を付けたEGGエネルギー社のヤン氏。彼は大企業の関心を踏まえた上でアプローチした。

ヤン GDFスエズ社や世界的電機メーカーであるフランスのシュナイダー社といった欧州の大手企業は、みんなアフリカ市場に関心を持っている。でも、現地市場を理解するのは一筋縄ではいかないことも知っています。だから、僕たちのようにすでに、現地でビジネスを展開している社会的企業と組む方が効率がいいと、彼らは考えるんです。農村部でのビジネスオペレーションがEGGエネルギー社の強みだから、提携先として彼らにとって十分魅力的なはずだと思いました。