クラウドコンピューティングの普及によって、ITサービス企業各社は先行投資型のビジネスモデルへの転換が求められる。クラウドコンピューティングは、エンドユーザーに代わって、SIer自らが投資を行い、システムを構築し、サービスとしてITリソースを提供するビジネス。

 それにより、エンドユーザーはIT投資を従来比30~40%削減することができる一方で、ITサービス各社は利用顧客数の増加により、収益性を高めることができる。

 クラウドコンピューティングでの勝ち組は、

(1)先行投資を継続する財務体力を有する
(2)一定の運用規模を有し、価格競争力を持っている
(3)エンドユーザーが自社の競争力を支える基幹系システム等のミッションクリティカルなシステム運用を委託できる実績を有している、等の条件を満たすものと我々は考える。

 ITサービス各社は、エンドユーザーのシステムをサイバー攻撃や天災から守り、システムを止めないことが求められ、エンドユーザーが競合企業にオープンにできないシステムを運用受託する信頼性が、ITサービス各社の優勝劣敗を決める条件になろう。

成長機会を掴むには受託型から
提案型への転換が求められる

 ビッグデータやM2M(Machine to Machine:端末同士の通信 )は、ITサービス各社が強みを活かせる成長領域だと我々は考える。

 ビッグデータにおいては、エンドユーザーへの個別マーケティングを提供する仕組み、M2Mでも、数多くのセンサを活用してあらゆる情報を収集する仕組みが必要となろう。いずれの仕組みも、SIを必要とし、ITサービス各社がシステムインテグレーションを行う成長領域と考えられる。

 しかし、ITサービス各社が新ビジネスを取り込んでいくためには、エンドユーザーに対して、ビッグデータやM2Mの活用を働きかけ、システム仕様を提案していくことが欠かせない。受託型のシステム開発になれたシステムエンジニアを提案型へと再教育できるかが、成長市場での覇権争いを左右する一つの論点になりそうだ。