本連載最終回は、大企業向けクラウド型ウェブコンテンツ管理システム「CMS on Demand」を展開するコネクティ社長の服部恭之氏。服部氏はソフトウェアの開発にこだわって起業したというが、ソニー時代は人事部に長く在籍し、ソフトウェア開発に関わっていたわけではなかった。どのような経緯でこの世界に飛び込んだのか。また、ソニー時代のどのような経験がいまに結びついているのか。コネクティの事業展望とともに、ソニー時代のストーリーを伺った。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)
大企業向けの市場に参入したのは
大手に勝てるチャンスがあったから
1998年神戸大学経済学部卒業後、ソニー入社。人事部配属後、商品企画部、戦略部などの多様な職種を経て、2005年12月にソニー退職。経営者発掘プロジェクトを経てコネクティを創業。
Photo:DOL
――コネクティはCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を開発、販売しているということですが、競合もたくさんいる厳しいマーケットだと思います。服部さんはなぜソニーを退職して、この業界で起業したのでしょうか。
確かに、CMSを提供する企業はHPやオラクルなどのグローバル企業から、中小の企業までたくさんあります。私たちの会社は、まだ社員は40人で創業して9年の会社ですが、彼らと同じ市場で本気で戦って、シェアを伸ばしていきたいと思っています。
CMSの市場がどうなっているかと説明しますと、まず、個人向けのウェブコンテンツを更新するサービスと、エンタープライズ向け(法人向け)に大きく2つに分けられます。個人向けのものは無償のものが多いですね。私たちが勝負をかけているのは、大企業向け、いわゆるエンタープライズ向けの領域です。
大企業がウェブコンテンツを管理する場合、コンテンツは動画やHTMLファイル、写真などの画像、データベースなど多岐にわたります。しかも関わる人も多い。広報部や人事、マーケティング、営業、商品開発等さまざまな部門の人がウェブ更新に関わります。しかもだれがいつ、どのようなコンテンツをどのように更新したか、というログを管理することが普通です。さらに、アクセスの承認、制御も必要になります。