オムニチャネル戦略進めるセブン&アイに注目
先駆者米百貨店メイシーズを例にポイントを整理

 Eコマース需要は引き続き高い伸びを続けており、有店舗小売業もようやく重い腰を上げ、昨年から続々と「オムニチャネル」戦略を打ち出しはじめた。セブン&アイやイオン、大手百貨店各社がインターネットと店頭を融合させるべく、様々な取り組みを始めている。

 たとえば、セブン&アイでは、グループ各社の取り扱いアイテム合計300万アイテムについてネットで注文を受け付け、セブン-イレブン・ジャパンの店頭で受け取ることができるサービスをめざしている。また、イオンも、店頭でタブロイド端末を通じて商品情報を提供するとともに、そのまま注文を受け付けることができるサービスを展開している。

 オムニチャネル戦略への投資はまだ始まったばかりであり、これらの企業にとってもこれから試行錯誤を続けていくというのが実態であり、今の段階で成否を予想することは困難である。

 そこで、オムニチャネル成功の代表企業であるMacy’sの財務データから、オムニチャネル戦略が業績を如何にドライブしてきたのかを検証してみたい。

単位:百万ドル
出所:会社、BofAMLグローバルリサーチ作成

 図表4は、Macy’sの過去の業績推移を示したものである。Macy’sは、2009年以降、事業の抜本的な再構築をはじめ、オムニチャネル戦略を重要な柱に位置付けてきた。2009年までは既存店減収が続き、業績も低迷してきたが、2010年以降、既存店増収率がプラスに転じるとともに、見事な業績回復を果たしたことが見て取れる。

 この表から見て取れるオムニチャネル戦略の業績インパクトは、以下の二点であろう。

 第一が、既存店売上高が力強く成長するか否かである。この図表の下部から見て取れるように、ネットを通じた注文が、既存店売上高を1%~2%ポイント程度押し上げていることが見て取れる。ネットからの送客がもちろん直接的の増収ドライバーだが、有店舗小売業としての競争力がベースとして確立されていないと、いくら洗練されたサイトを運営しても、このような力強い既存店増収には結びつかないだろう。

 第二が、販管費比率の低下である。オムニチャネルは、既存店舗のブランド力、集客力をレバレッジする、極めて高効率なマーケティング戦略といえるだろう。