セブン‐イレブン・ジャパンはプライベートブランドの売上好調などを背景に過去最高の新規出店を続けている  Photo by Hiroki Matsumoto

 セブン&アイホールディングスの業績が絶好調だ。

 今年8月中間期の売上高に当たる営業収益は前年同期比14.6%増の約2兆8000億円。営業利益は前年同期比11.8%増の1645億円、当期利益は24.6%増の833億円で、いずれも過去最高益となった。

 過去最高業績を支える最大の理由は国内コンビニエンスストア事業の収益力の高さにある。セブン‐イレブン・ジャパンの売上高にあたる営業総収入は前年同期比9.5%増の3410億円、営業利益は11.3%増の1110億円。また、既存店の売上高はコンビニでは唯一、13ヵ月連続で前年実績を上回っている。

 好調なコンビニはセブンだけではない。

 業界2位のローソンも営業利益、経常利益、当期利益で過去最高を更新。3位のファミリーマートも経常利益と当期利益で過去最高益を更新した。

 コンビニ大手3社が好調な理由は大きく二つある。一つは積極的な新規出店だ。

 セブン‐イレブン・ジャパンは今期、過去最高の1500店を出店予定だが、「来年度はさらに今年度を超える出店を考えている」(村田紀敏セブン&アイ・ホールディングス社長)と出店攻勢をかける計画だ。

 ローソンでも、サークルKサンクスを展開していた地域運営会社がローソンに鞍替えしたことで、当初計画を上回る950店を出店予定。ファミリーマートも過去最高の1500店を出店する計画であり、さらに「今後3年間は積極的に出店していく」(中山勇ファミリーマート社長)と規模拡大に向けてアクセルを踏み続ける。

 二つ目はプライベートブランド(PB)などの独自商品のヒットだ。

 セブン‐イレブン・ジャパンではPBのセブンプレミアム、中でも高品質な「セブンゴールド」の人気が高まっている。例えば、今年4月発売の「金の食パン」は通常商品よりも約100円も高いにもかかわらず、4ヵ月で計画を5割上回る1500万個を発売した。

 ローソンは農作物栽培技術の「中嶋農法」を使ったカット野菜などの健康食品や国産食材にこだわった弁当などの高付加価値商品が伸長している。

 ファミリーマートは今年度下期以降、高付加価値商品の「プレミアムシリーズ」を展開するなど、商品のさらなる拡充を図る。