7対1病床に高い診療報酬を設定した2006年当初は、国は4万床程度になると見込んでいた。ところが見る見る増加し、放置しておいたら想定をはるかに超える36万床にまで達してしまった。

 7対1病床の増加はそのまま医療費に跳ね返る。病院は収入を増やすために稼働率を上げたいから、7対1病床レベルの体制が必要のない軽症患者も受け入れる。10対1病床と7対1病床で同じ治療を行っても、7対1の方が医療費は高い。

 つまり7対1病床の急増により、余計な医療費が膨らんでいった。7対1病床に関する政策は明らかな失敗だった。

 国はついに、この4月に改定した診療報酬改定で7対1病床に大ナタを振るった。

重症患者向け病院で政策ミス
供給過剰で4分の1削減へ

 診療報酬は2年に1度の改定で価格の見直しが行われる。14年度改定で7対1病床の資格条件を厳格化し、2年間で7対1病床数の4分の1に当たる9万床分を削減する大リストラに打って出たのである。

 とはいえ、他のタイプを含めた病床の総数は大きく減らせない。超高齢社会の日本では今後、高齢者数が増えていく。当然、患者数も死亡者数も増加の一途だ。

 そこで団塊世代が75歳以上になる25年をゴールとして、医療構造を大転換する改革を掲げた。コストのかさむ7対1病床を減らした分、急性期を脱した患者、在宅で急変した患者などを受け入れる病院を増やそうというものだ。在宅で医療を受けられる体制を強化する方針も盛り込まれた。

 この改革の中で、急性期後の受け皿となり、在宅の緊急患者も受け入れる地域包括ケア病棟が創設された。横浜中央が開設を決めた、それである。

「7対1のベッドがしっかり埋まっている病院でわざわざ地域包括ケアに切り替えようなんていう経営者はいない。地域にニーズがあるのはもちろんだが、うちは今あるベッドを使い切れないから再編するんだ」と大道院長。経営的な困難を抱える中で同病院は国の政策通りにかじを切った。