医師限定の会員制コミュニティサイトを運営するメドピアの協力により、医師を対象に2014年度診療報酬改定の影響について4月にアンケートを実施したところ、「勤務先の収入は増えるか、減るか」という問いに最も多かった回答は43%の「分からない」。「収入に変化はない」が28%。「収入が減る」は26%にとどまった。

「勤務先の看護師数は増えるか、減るか」という問いには、「現状で足りないが、数は変わらない」(32%)という回答が最も多かった。

 アンケート結果を見ると、変化を予感している医師は多くない。しかし、7対1病床を維持するにしても、院内の職員配置は変化する。7対1病床から滑り落ちる病院では看護師が余る。国が目指す通りに改革が進むとしたら、それは医師と看護師の“民族大移動〟も始まるということだ。

医師と看護師の人材ニーズは
どう変化しつつあるのか?

 本誌では医療コンサルティング会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)の協力により、医師と看護師の人材ニーズの変化を本邦初でシミュレーションした。

 これまで急性期や療養など病院機能のヒエラルキーにおいて7対1病床の急性期病院はトップに君臨してきた。しかし、GHCのコンサルタントである湯原淳平氏は「急性期=エースの時代は終わり、急性期、診療所、訪問看護などそれぞれの機能の中にエースを置く構造に変化する」と分析する。そして、その構造変化の中で医師や看護師の人材ニーズは「急性期で減少し、それ以外で増加する」とみている。

 特に影響が大きいのは病院で勤務する看護師だ。国が描く改革シナリオを基に25年に必要な病院勤務看護師数を試算すると、10年に比べて約14万人減少する。逆に現在3万人が従事する訪問看護師は、17万人の規模が必要になる。

 医師は、拡大が図られる地域包括ケア病棟や在宅医療で人材ニーズが増える。これらの現場では、専門領域だけでない総合的な診療が必要だ。また、診療所には「24時間対応も担える第一線の若い力」(宇都宮啓・厚生労働省医療課長)も求められる。

 医師、看護師は今いる職場で構造変化を受け止めるのか。あるいは転職、独立へ動くのか。いずれにせよ彼らの大移動がなければ、国が掲げる改革は絵空事に終わる。