ポイント1:安易に金銭による解決を図らない
まず大前提として、不当要求に対しては金銭で解決しようとしないことです。不当要求に特徴的なのは、相手が過失に対する補償だけでなく、それにプラスアルファした形で金銭や特別待遇を求めることです。
わかりやすい例でいえば、不良品を購入した客が代金の返還や商品の交換を求めるのは正当ですが、それに加えて「迷惑料」などを要求するのは不当です。
損害保険に入っているからといって安易に金銭でカタをつけようとすると、その評判はすぐに広まり、クレーマーの標的になります。
ポイント2:自社の業種・業態に合った基準を設ける
組織の実態(業種や業態など)に合った基準を設けておくことも重要です。なぜなら、組織によって「誠意の見せ方」が異なるからです。
たとえば、青果店と百貨店を比べてみましょう。商店街の青果店で売られていた野菜が少々傷んでいたからといって、店主が菓子折持参で常連客の自宅を訪問することはないはずです。せいぜい、その客が来店したとき、おまけする程度でしょう。
一方、百貨店の食品売り場で、鮮度が落ちた高級食材が売られていたら、その購入者には責任者名でお詫びの挨拶が入るかもしれません。
ポイント3:社会規範に則った公平・公正を拠り所にする
最終的には、公平・公正が拠り所になるでしょう。つまり、クレーマーを特別扱いしないことです。声高に主張する客の要求には応じるけれど、おとなしく黙っている客には我慢してもらうということでは、企業のコンプライアンスやCSR(企業の社会的責任)にも反します。
ここで忘れてならないのは、「これだけは譲れない」という「誠意のボーダーライン」を組織として決めておき、それを順守することです。