映画で知る第2次世界大戦〈2〉
ヨーロッパでの戦い

 太平洋の島国に住む日本人にはその関係性が今一つとらえきれないことが多いように思える欧州戦域や大西洋での戦いですが、これらを描いた映画は数多くあります。戦いの全貌を理解するため、比較的史実に沿った内容の作品を中心に紹介していきます。

●ウォーリーダー

 今回は、欧州戦域に関わる米英独ソの政治指導者と連合軍最高司令官を取り上げました。

 大英帝国を率いたチャーチルについては、BBC制作のテレビドラマを映画化した2つの作品があります。1940年5月の首相就任から5年後のドイツ降伏まで、彼の状況判断能力がみっちりと描かれている点が見どころでしょう。「大英帝国の嵐」はゴールデングローブ賞ノミネートで、「第二次大戦の嵐」はその続編。製作総指揮はリドリー&トニー・スコット兄弟です。

 4期13年間にわたってアメリカを率いたフランクリン・ルーズベルトの伝記的な作品が「ルーズベルト物語」。新しいところでは、臨終の場に同席した従妹の回想に基づく「私が愛した大統領」があり、「英国王のスピーチ」で有名なジョージ6世がアメリカの参戦を促しに訪米、ルーズベルトの別荘を訪ねるシーンが描かれています。

ヒトラーを描いた作品は数多くあります。1本だけ見るならば「ヒトラー~最期の12日間~」でしょうか。3時間近い大作で、語り部はヒトラーの最後を見届けた個人秘書。廃墟と化したベルリンで側近らと過ごす人間ヒトラーの姿に迫った異色作です。

スターリンの伝記映画となると、米HBO制作の「独裁/スターリン」があるぐらいでしょう。政権奪取からその死までを描いているようですが、劇場未公開のため未見です。

 チャーチルと実践知リーダーの双璧をなすアイゼンハワーに関するテレビ映画作品もあります。「ノルマンディー 将軍アイゼンハワーの決断」は、絶え間なく煙草をふかし、西部劇小説を手に取りながら、Dデイに向け、日ごとにのしかかるプレッシャーになんとか耐えようとしているアイクの姿が印象的です。

■チャーチル
大英帝国の嵐 Gathering the Storm 2002英米
[監督] リチャード・ロンクレイン [主演] アルバート・フィニー、ヴァネッサ・レッドグレイヴ
第二次大戦の嵐 Into the Storm 2009英米
[監督] サディウス・オサリヴァン [主演] ブレンダン・グリーソン、ジャネット・マクティア
■ルーズベルト
ルーズベルト物語 Sunrise at Campobello 1960米
[監督] ヴィンセント・ドナヒュー [主演] ラルフ・ベラミー、グリア・ガースン
私が愛した大統領 Hyde Park on Hudson 2012米
[監督] ロジャー・ミッシェル [主演] ビル・マーレイ、ローラ・リニー
■ヒトラー
ヒトラー~最期の12日間~ Der Untergang 2004独伊墺
[監督] オリヴァー・ヒルシュビーゲル [主演] ブルーノ・ガンツ、アレクサンドラ・マリア・ララ
■スターリン
独裁/スターリン(スターリン/粛清の裏側) Stalin 1992米
[監督] アイヴァン・パッサー [主演] ロバート・デュヴァル、ジュリア・オーモンド
■アイゼンハワー
ノルマンディー 将軍アイゼンハワーの決断 Ike Countdown to D-day 2004米
[監督] ロバート・ハーモン [主演] トム・セレック、ジェームズ・レマー