このセリフ、賢女だけあって、「蒜《ひる》」に「昼」をかけたイヤミでもあるのですが、ここから、平安貴族も医薬品として蒜を食べていたことが分かります。

 平安京の市にも蒜売りがいたという記述もあり、庶民の間でも、蒜は滋養強壮材として重んじられてきました。

蛤とにんにくの吸い物
【材料】蛤(大)…2個/にんにく…1片/水…500ml/酒…大さじ1/醤油…大さじ1/2/塩…少々/薬味(三つ葉、あさつき等)…適量
【作り方】 ①にんにくはみじん切りにする。②鍋に、1と砂抜きした蛤を入れて火にかけ、酒と醤油と塩で味を調える。②蛤の口が空いたらすぐに火を止め、三つ葉などを乗せる。

 ところがこの蒜、僧侶は食すことができませんでした。

 蒜を生で食べれば気が荒くなり、欲情が沸いて修行の妨げになるからという理由で、764年に禁令が出されました。

 僧や尼僧が食べたことが知れれば、30日間の苦役を科されたそうです。

 天下が平定された江戸の元禄の頃になると、口臭の問題で武家も蒜を食べることを避けるようになりますが、戦乱の世で蒜パワーを活用しない手はありません。