省エネ家電の購入にポイント還元が行なわれる「エコポイント制度」だが、5月中旬のスタート当初は「見切り発車」の感が否めなかった。
だが、いざ始まってみると、対象製品の販売には、かなりプラスに働いているようだ。補正予算が成立したので、ようやく実施が確定したと言っても良いだろう。
いわゆる「景気刺激策」なのだろうが、“エコ”をお題目に据えることで、各方面の同意を得ようとすり寄っている様子がうかがえて、個人的にはとても気に入らない。
特に理解不能なのが、「価格の高い大型製品ほど還元ポイントが多い」ことである。「地球温暖化対策の推進」と掲げるなら、電力諸費が少ない小さな製品ほどポイント数を多くするのが正しいはず。「大型製品ほど電力を食う」のは、素人だってわかることだ。
つまりこれは、単なる景気刺激策の域を出ていないのだ。だったら、掃除機や洗濯機、PCなども対象製品に入れたほうがよいのではないか?
さて、文句ばかり言っていても始まらないので、本題に入ろう。
下図をご覧いただければわかるように、エコポイントはテレビのサイズによって、ポイントが変わる。これによって、“売れセン”に変化が生じたかどうかを調べてみたい。
これまでの取材によれば、32V型以下のテレビが圧倒的に人気だった。日本では狭い部屋が多いので、32V型でも十分に満足できる。さらに不況が進むなか、サイフから出る金額が少ないのは、うれしい限りである。
テレビサイズによるポイント数は、大画面ほど有利になっている。割り算をしてみればわかるのだが、大型ほど還元するポイントの率がよくなっているのだ。
ただし、実売価格は画面サイズには比例しないので、単純には判断できないが……。
今回の記事執筆に当たって、売れセンモデルと実売価格を調査してみたのだが、人気上位は32V型が占めており、実売価格は10万円を切るモデルがよく売れている。エコポイントが12000付き、さらに店のポイント還元が10%なら、6万円台から手に入る商品もある。これなら相当に割安だ。