ここ数年、日本列島の夏は暑い。とにかく暑い。街には毎年、吹き出る汗を拭いながら、「これじゃ、まるで熱帯じゃないか」「仕事をするどころの話じゃない。まずは自分の身を守らなければ……」と溜息を洩らしながら歩く人たちが溢れる。熱中症患者が毎年増加の一途を辿るなか、外回りの多いビジネスマンにとって、日本の夏が猛暑になるか否かは、今や死活問題なのである。心の中で「報道通り冷夏になってくれたら」と願っていた人も少なくないだろう。

 だが、梅雨入り前からの「ゲリラ猛暑」で、我々の期待はすっかり揺らいでいる。「ああ、やはり今年も猛暑なのか……」と。とはいえ、「涼しい夏」への期待は、本当に粉みじんに打ち砕かれたのだろうか。

 人々が不安を抱く「日本の異様な夏」の正体を、このへんで徹底解明しよう。

今年初の猛暑は大分県日田市の35.6度
5月末に感じた「嫌な予感」の正体とは?

 まずは、今年初めて猛暑日を記録した日から現在までの天気の変動を、丁寧に見直していきたい。

 関東で今年初の猛暑日を記録した日の前日となる5月31日。大分県日田市では最高気温となる35.6度を記録し、全国で今年初の猛暑日となった。さらにこの日は、全国927ヵ所に及ぶ観測地点のうち315地点で、30度を超える真夏日を記録していたのだ。

 さらに315地点のうち、東北から九州の120地点においては、5月の観測史上最高(タイ記録含む)気温となり、6月が始まる前から暑い夏の訪れを予感した人もいただろう。暦の上ではギリギリ春とも言える5月最終日に、すでにその「徴候」はあった。

 翌6月1日、全国404地点で真夏日となった。これは全国の観測地点の3分の1を超える驚異的な数字だ。前出の群馬県館林市だけでなく岐阜県揖斐川町でも、全国で最高気温となる36.3度を観測し、関東や東海を中心に27地点が35度を超える猛暑日となった。