身の丈以上の理想が、
謙虚な発言に…

「自分なんてまだまだです」
頑張り屋で努力家、いつも前向きに物事に取り組むAさん。
こんなAさんの一見謙虚に思えるような発言が、思わぬ自信喪失を招いてしまうこともあります。

 先ほどの自信をなくす瞬間(1)の「自分の能力不足が原因でできない、だから自信をなくす」というパターンに陥りがちな人によく見られるのが、プライドが邪魔をしているというケースです。

 自分ができないことを受け入れられない、認められない。心のどこかで「本当の自分はこんなもんじゃない」と思い込んでいるのです。
プライドがそうした心理状態にさせてしまうのです。これは非常によくあるケースです。言い換えれば、誰もが陥りやすい心理というわけです。自信がない人ほどプライドが高いというのが、これまでの経験から得た実感です。

 自分が「できない」ということを感覚的にはわかっているけれど、それを受け入れたくない自分がいる。そういう人が自信をなくすと、できない自分と向き合わなくて済むようにあえて「高い目標」を掲げようとする傾向があります。「高い目標に向かってがんばっている自分」でプライドを保とうとするのです。