“第3グループ”になっても
それで勝ち残れる保証はない

──ところで、名村造船所と佐世保重工業はどちらも大手鉄鋼メーカーの新日鐵住金が最大株主です。彼らには事前に相談したのですか。また、監督官庁の国土交通省海事局は、かねて「世界的な供給過剰の中ではM&Aによって国際競争力を強化すべき」と主張してきました。役所については、いかがですか。

名村造船所社長 名村建介 <br />スタートラインに立ったに過ぎない名村造船所の企業理念は「存在感」。創業100周年を記念して発行された『名村造船所百年史』(2012年)にも、しっかり刻印される。そこには、“お客様から求められる企業としての存在感を持ち続ける”との思いを込めているという
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 新日鐵住金にも国交省にも、事前に相談はしていません。すべて、自分たちで考え抜いて決断しました。新日鐵住金は、最大株主であるばかりでなく、造船所に鋼材を納入してもらうメインのサプライヤーとして、重要な取引先でもありますが、「それはそれ。これはこれ」と切り離して考えました。

 もっとも、3年前に佐世保重工業と話をするきっかけになったのは、国交省が主導して10年末に始まった「新造船政策検討会」の席で、委員を務めていた当社の名村建彦会長(当時、社長)と、佐世保重工業の森島英一取締役相談役(当時、社長)が「2社で一緒にできることはないだろうか」と会話したことでした。その後も、何度か役員同士で意見交換などを続けていました。

 そして今年に入ってから、勝ち残りに向けた交渉が本格化しました。今回の動きは、国交省に勧められたわけではありませんが、無関係ではないですね(笑)。