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メールを1通見ると、仕事は22分中断!
不要な情報を捨て去るセンスはどう磨く?
――ノリーナ・ハーツ氏に聞く

大野和基
【第43回】 2014年7月24日
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――第13代FRB議長のアラン・グリーンスパンもそうですね。

ハーツ:金融危機が起こる2、3ヵ月前にも、グリーンスパンはデリバティブがどれほど安全か、それがどれほど世界をますます安定させるかについて話していましたね。

 16年間分に相当する6万4000の専門家の予測を調査したら、サルがボードに向かってダーツをランダムに投げるのと、なんら変わらないくらい当てずっぽうであることがわかりました。

――ということは、専門家の意見を信用してはいけないということでしょうか

ハーツ:そうではありません。専門家の意見を“金科玉条”のものとして受け取るべきではないということです。その意見にチャレンジしなければなりません。文化的な違いやヒエラルキーがある文化では特にそうです。医者も誤診するし、科学者も捏造します。専門家の値打ちを査定しなければなりません。

――経営コンサルタントはアドバイスを提供することで高額の料金を請求しますが、そのアドバイスが間違っていることが分かった場合、払った料金を払い戻してくれますか。

ハーツ:いいえ、払い戻してくれません。アドバイザーとはそういうものです。

――アドバイスが間違っていたことがわかった場合でも、うまくやり過ごせるということですか。

ハーツ:そうです。金融危機が起きたあと、世界中の経済学者らは教授を辞任しませんでした。つまり予測がはずれてもそのまま逃げおおせることができるのが普通です。それはCEOにとっても興味深い問題です。

 つまり彼らが経営コンサルティング会社と再契約するときに、料金回収の条項を契約に入れることができるかどうか。アドバイスが間違っていた場合、払った料金を回収できる条項を入れることができるかどうかは、多くのCEOにとって重要な問題です。おそらく将来の交渉で考えるべきことかもしれません。

――個人的には、契約に入れるべきだと思います。多くの人は意思決定にとって、正しい情報と誤解を与える情報の区別がつきません。何かアドバイスはありますか。

ハーツ:それは難問です。特にデジタル時代にはオンラインでかなりの情報を入手できるので、誰を信用したらいいのか、という問題はますます難しくなっています。消費者レビューも3分の1はでっち上げと推定されています。

 中国政府の中には、ソーシャルメディアのサイトに自国政府についてポジティブな見解を載せる専門のスタッフが大勢います。逆に言うと、この情報化時代では、専門家の意見を参考にするだけではなく実際に自分でリサーチして、自分自身のアドバイスを見つけるチャンスがあるということです。

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