値上げラッシュは間近か

川内原発は今後、地元の同意や、設備検査を経て、10月にも再稼働する見込みだ
Photo by Hiroyuki Oya

 7月16日、規制委は九州電力川内原発の審査書案に“合格”のお墨付きを与えた。

 これを受けて22日には止まっていた柏崎刈羽原発の審査も再開し、道場に通う幹部からは「スピードを上げたい」と意欲を燃やす声が聞こえる。

 川内原発の“合格”に沸いているのは、東電だけではない。現在、国内の原発48基は全て停止中で、電力会社7社が、焦れるように自らの審査の順番を待っている。

 電力会社が再稼働を急ぐのはひとえに、火力発電のたき増しによる赤字から脱却したいからだが、電気料金の再値上げだけは避けたいという焦りもある。

 もっとも、一気に原発再稼働が進むことはない。経産省は各社からの再値上げ申請に備えて、値上げ審査の体制を強化している。

 まず、秋までに申請がありそうなのが北海道電力で、「秒読み段階に入りつつある」(経産省幹部)。

 次に値上げが必要なのが九電だが、川内原発の再稼働が見えてきたことで、「原発を再稼働しておきながらの値上げは、国民感情的に受け入れられない」(同)として、年度内の値上げは回避する見込みだ。

 業界で最も注目されているのは、関西電力だ。関電は電力会社の中で最も原発依存度が高いことから財務状況も厳しく、「北海道の次は、関電が再値上げを検討している」(別の経産省幹部)という。ただ、関電の高浜原発は、川内原発の次に審査が進んでいる。順調に進めば「値上げは避けられる」(同)との見方もある。

 消費税の再引き上げが迫る中、国も再値上げを避けたいのが本音。電力会社、国とも原発再稼働への鼻息は荒い。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 森川 潤)