事業の拡大に伴い、資金調達も順調に進んだ。2011年2月、Benchmark、Alfred Lin、First Round Capital等からシリーズA(本格的な投資の第1段階を指す用語)として、11ミリオン米ドル(約11億円)。同年11月にMenlo Ventures、Jeff Bezos、Goldman Sachs、Benchmark等からシリーズB(投資の第2段階)として37ミリオン米ドル(約37億円)。そして、UBERの名を世界に知らしめたのが、2013年8月。Google Ventures及びTGPによるシリーズC(投資の第3段階)で258ミリオン米ドル(約258億円)の調達だ。これで勢いづいたUBER。今年5月、シリーズD(投資の第4段階)としてFidelity、Wellington、BlackRock等から1.2ビリオン米ドル(約1200億円)を得ている。

 日本ではUBERジャパンが2013年11月に試験運用を開始。2014年3月21日から正式な事業としてスタートした。

 2014年7月後半時点で、UBERが事業展開しているのは42ヵ国、150都市。同社の2014年4月24日付けブログで「世界100番目の都市、北京でサービス開始」を紹介したばかり。それからたった3ヵ月で進出都市の数が1.5倍になるという驚異的な成長スピードだ。

 同社は非上場企業であるため、売上高は未公開。従業員数は米国で約500人、世界全体で約1200人。株式の時価総額は18.2ビリオン米ドル(約1兆8200億円)に達した。

 こうした新興勢力に対しては当然、アゲインストな風も吹く。世界各国のタクシー業界から反発や疑問の声が上がっているのも事実だ。

創業5年で時価総額約2兆円の急成長ベンチャー<br />「UBER」本社で痛感した新交通システムのあるべき姿<br />――米自動運転シンポジウム+シリコンバレー現地速報【中編】UBERのライドリクエストはスマホ操作で。クレジットカードの事前登録で現金要らず Photo:UBER

 直近で最も大きな話題となったのが、2014年6月11日。パリ、ロンドン、マドリード等、欧州各地で約3万台のタクシーとリムジンが参加した短時間ストライキが発生(台数は各国メディアによる推定)。その余波は6月後半、米ワシントンDCにも波及し、多くのタクシーが集結して道を塞いだ。

 UBERの利用料金はアメリカ国内の場合、通常のタクシー料金より約3割安い。支払いは事前登録したクレジットカードで行なえる。アメリカでは現金支払いのみのタクシーがまだ多い(料金は世界各地のサービス内容によって異なる)。

 こうして世界の自動車産業界、タクシー業界、IT産業界、さらには交通行政の立場から政府・地方自治体から注目を集めているUBER。日本でも東京でのサービス開始を受けて、同社に対する各種報道がある。だが、その実態についてはまだ「ミステリアス」な部分が多い。