日本では35歳~65歳に一番多いといわれているゴルフ人口。日頃忙しすぎて運動できないから、休日のゴルフが唯一「体を動かす機会」というビジネスパーソンも少なくないかもしれません。しかしそこには、年間200人もの突然死を招く「死の恐怖」が隠されていたのです……。今回は、「休日ゴルフの突然死」を回避するための方法を、医師の立場からお伝えしたいと思います。
年間200人もの突然死!
あなたは大丈夫と言えますか?
緑に囲まれた芝生の上で、日頃のストレスも忘れて思い切りスイング! 休日のゴルフは何ものにも代えがたい楽しみ、と語るビジネスパーソンはたくさんいらっしゃいます。交渉や商談の合間、それまでは難しい顔をされていた相手が、一転ゴルフの話になると、少年のように笑顔になる場面は少なくありません。ゴルフは運動量も適度なので、休日の運動としてはぜひにとおすすめしたいところです。
ただ一つ、休日の早起きゴルフに潜んだ危険な落とし穴を、医師という立場からお伝えしなければなりませんが……。
落とし穴の正体とは、ズバリ、ゴルフプレー中の突然死です。実は、この楽しいはずのゴルフのプレー中に突然死する人が、年間200人もいるのです(元聖マリアンナ医科大学、吉原紳助教授推計)。運動中の突然死では、ゴルフが最も多いという報告もあります。原因の多くは心筋梗塞などの循環器系の疾患で、なかでも高血圧症、糖尿病、高脂血症、喫煙などの危険因子を持つビジネスパーソンは、特に注意が必要です。
日本では35~65歳という、まさに働き盛り世代のゴルフ人口が最も多いと言われています。言い換えれば、残業続きの激務、運動不足、接待や飲み会、デスク飯など偏った食事や生活の影響が最も出ている世代とも言えるでしょう。つまり、これらの生活で体は疲れを慢性的に抱えている状態です。不健康な体で、しかも溜まりに溜まった疲労を取らずに、グリーンに立つのはリスクが高すぎるのです。