伝えたい情報を直感的にわかるように、グラフィカルに表現する「インフォグラフィック」。この「相手がぱっとわかるように工夫する」という考え方のクセそのものが、コミュニケーション上手にしてくれるはず。本連載は、情報をよりわかりやすく、という枠を超え、発想そのものを広げるための教科書だと思ってください。どうやってこのアウトプットに辿り着いたか、発想のスタート地点から解説していくことで、「考え方のプロセスと構造」がわかります。今回の素材は夏らしく「花火」。一言に「花火」といっても、けっこう多くの種類があるのものなのです。

子どものころ必ず見に行った花火大会
今回の題材は正しくは「打ち上げ花火」

 花火の季節ですね。最近はめったに現場に行かなくなりましたが、見るのが(聴くのが、という感覚もあり)相当に好きです。

 金沢で育ったのですが、娯楽らしい娯楽に連れていってもらったことがなかった子どもの頃、犀川の花火大会はお金もまったくかからないからか(笑)、必ず連れていってくれた。というか父親も好きだったのだろう。打ち上げ地点真下まで行って見上げているのが特によかった。アタマの上で花開く迫力と共に、火がついたままの燃えカスが落ちてくるのもスリリングでわくわくしたものだ。

 今回はその花火を扱ったもの。まずはインフォグラフィックをご覧ください。

「花火の形」を<単複&尾を引くか>で分類し<br />マトリクスで示したインフォグラフィック
グラフィック作成/小宮山秀明
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 と、ここまでさらっと「花火」と書いていますが、正確に言うと「打ち上げ花火」と言わないといけませんね。スターマインなどの「仕掛け花火」と大きく分けて考えなければなりません。

 また、近所で遊ぶ小さな線香花火なども花火。これはなんと呼ばれてるのかいまウィキペディアを見たら、「おもちゃ花火」となっていた。<かつては玩具花火とも呼ばれたが、日本煙火協会での表記はこちらに統一されている>とのこと。

 などなど、花火はさらにいろいろ分類されるわけですが、今回の作品も、インフォグラフィック作成の基本事項<分類>をキーワードとして考えたものです。その説明、順を追って述べていきます。