大手企業を中心にした多くの企業は、インターンシップを「採用直結ではない」としているが、真実はやはり違う、ということだろうか。ジェイックの佐藤社長もこう指摘する。

佐藤剛志・ジェイック社長。「中小企業はインターンシップの参加を決めながらも、実は戸惑っている」と現状を語る

「今後もタテマエ上、(インターンは)採用直結ではないと企業は伝えるでしょう。しかし、大手企業もインターンシップ参加者の10%を実際に採用している。2016卒に関しては、短期決戦化しますから、より早く学生を囲い込みたい気持ちが高まるはずです。インターンで優秀な学生には、一次選考をパスするなど、来年は数多く起きてくるのではないでしょうか」(佐藤社長)

 大企業にそれをやられてしまってはたまらないのが中小企業だろう。しかし、中小企業がいくら採用のためとは言ってもインターンシップを実施するのは、企業規模や人員の問題からなかなか難しい。しかも大手企業のように10%しか採用できないとすれば、なんとも非効率だ。佐藤社長も「中小企業の経営者はインターンシップのカリキュラムづくりにも戸惑っています。第一、インターンから30%くらいは採用できないと(採算が合わない)…と嘆いていますよ」と語る。また、いくら早く内定を出したとしても、学生が他の企業に目移りして、逃げられてしまう可能性もありえる。

 では、中小企業はどのようにすれば、背水の陣で挑むインターンシップを確実な採用につなげられるのか。実は、従業員165名ほどの企業ながら毎年インターンシップのみで採用を行い、インターンシップからの採用が80%にも上る企業がある。それがインターネット上でQ&Aサイト「OKWave」を運営しているオウケイウェイヴだ。

インターン経験者の80%が入社
学生に逃げられない企業は何が違う?

 オウケイウェイヴは、2011年度から選考フローにインターンシップを組み込み、新卒入社する社員は100%インターンシップ経験者。2012年に入社した同社の笠井彩さんもその1人だ。元々同社に興味を持っていた笠井さんは、大学3年生の1月に同社の説明会に参加。そこで人事との面談を受け、2月からインターンシップに参加した。

 同社のインターンシップは、主に営業系と技術系の2種類。実質1ヵ月半、仕事を体験する。笠井さんは新規サービスの企画を行ったが、実際に内定が出たのは、ゴールデンウィーク明けだった。内定後もインターンを続け、入社までの1年近くの期間を同社で過ごした。

 同社のピープル本部人事運用グループ・山本卓也マネジャーは、インターンシップ採用を行う理由をこう話す。