そして「ブランディング3.0」時代。ブランドは、顧客の資産に進化する。ブランドの価値は、企業の活動や想いだけではなく顧客との協働によってつくられる。ブランドは、顧客と社会との対話や共感の積み上げによって形成される。つまりブランドは企業のものではなく顧客の資産ということになる。顧客との対話と参加を促し、繋がりの密度感を上げていくことが、ますます重要になるであろう。

 その際、企業からのワンウェイの情報でなく、顧客のコミュニティへのアプローチを重視する必要がある。その具現化の手法として、コラボレーションやキュレーションがより活発に行われるだろう。

 さらに、顧客の興味を惹きつけるためには、ブランドストーリーが重要になる。なぜなら、ブランドのコンセプトや活動自体が、顧客が共感し思わず話題にしたくなる、参加したくなるものでなくてならないからである。

 こうした顧客やそのコミュニティとの協働を頻繁に行うために、オムニチャネルという仕組みは実に都合が良い。顧客にいつでもどこでもアクセスできる上に、対話型のコミュニケーションがつくりやすい。顧客の行動データを把握できれば、それこそ個々人の顔が見える対話が可能になるであろう。

「ブランディング3.0」時代への特徴的な変化を、オムニチャネルを活用した先進的な事例で紹介したい。

顧客との協働によるブランド体験を積み重ねる
――無印良品のケーススタディ

 インターネットやスマートフォンの普及、SNSなどコミュニティの発展により、ブランド体験は、企業がつくるものから顧客が能動的に関与するものへと変化した。ブランドは、顧客が共感する・語りたくなる・参加したくなるものでなくてはならない。また、いつでもどこでも繋がることが可能になり、この関係をあらゆる接点でいかにシームレスに維持できるかがポイントになる。