孫子からクリステンセンまで、3000年に及ぶ古今東西の戦略エッセンスをまとめた書籍『戦略の教室』から、特に有名な10の戦略を紹介する連載。第6回は世界中で大ベストセラーとなり、今なお熱狂的な支持者の多い『エクセレント・カンパニー』の組織戦略。合理的な組織を上回る、人のソフトパワーを活かした超優良企業の秘密とは?
60社の調査から導き出された超優良企業の特質とは?
平凡な人から非凡な力を引き出す秘密
「生産性に対して主要な意味を持つのは労働条件それ自体ではなく、労働者に対する経営者の配慮なのだということである」(大前研一訳『エクセレント・カンパニー』より)
「超優良」を意味するエクセレントな会社が、どんな特徴を持っているのか? 誰もが知りたいこの謎に挑戦した書籍があります。
『エクセレント・カンパニー』は、1970年代の終わりに、世界的コンサルティング会社のマッキンゼーの元社員、トム・ピーターズとロバート・ウォーターマンによって書かれました。
DEC、ヒューレット・パッカード、プロクター&ギャンブル、ジョンソン&ジョンソン、キャタピラー、スリーエム、マリオット、マクドナルド、ダウ・ケミカルなど、当時の60以上の卓越した企業への綿密な面談調査から共通点を分析しています。
卓越した企業のソフト領域を中心に着目しており、それまでアメリカで主流だった定量分析による企業改革とまったく違う路線を打ち出したことで、大いに注目を集めて世界中で600万部を超えるベストセラーとなりました。