今回、ブログの連載記事執筆の機会を頂いたので、一般的な外資系企業ではどんな人材マネジメント(標準的な型)が行われており、その人材マネジメントはどのような前提やフレームワークをベースに行われているのかを考察します。また、外資系企業でも人材マネジメントは一律ではないことを示したいと思います。そうすることで、読者の皆さんが自社の課題を整理したり、問題解決のヒントを得ることができるのではないかと考えています。

 何かを学ぶには、自分が何を知っていて、何を知らないかを知ることが大切だと言われます。その為には前提まで戻って考えたり、あえて異質な考えに触れる経験が有効です。また、学べば学ぶほど、分かっていたつもりだったことが、実は分かっていなかったことも多いのです。

 このブログがそのような学びの場を提供できればという気持ちで執筆したいと思います。

 それでは、早速、最初のトピック、「人が辞めないことを前提とした組織&人が辞めることを前提とした組織」から考えてみたいと思います。 

大事なのは自社の事業戦略を実現する
人材マネジメントを考える姿勢 

 人が辞めないなら、論理的に考えて、組織への入口(新卒採用)と出口(定年退職)は一つずつしか必要ないことになります。人が辞めないこと、人を辞めさせないことを前提とするからこそ、新卒一括採用、長期的な視野にたった人材育成、会社主導の人材配置(定期異動)、年功序列の人事制度(定期昇給)の実施が可能になるのです。

 言い換えると、新卒で採用した人材をOJT教育し、時間をかけてゆっくり人材選抜を実施し、よほどのことがない限り全社員に定年退職まで働いてもらいます。そして、その欠員分をまた新卒で埋める。非常にシステマチックな人材マネジメントシステムです。

「人が辞めない組織」で働く人には転職という選択肢が存在しないので、組織で成功するためにその企業だけで通用する企業特殊能力を身につけるインセンティブが働きます。「人が辞めない組織」で働いている人は、「人が辞める組織」があるのを頭では分かっていても体で感じていないので、理解しづらい。そして、本音の部分では「そんな不安定な状態でどうやって組織が運営できるのか」と思っているかもしれません。