日本人スター選手の誕生で
第4次テニスブームが来るか

 そんな状況に現れたのが錦織。着実に実力をつけ世界ランクを上げ、ついに4大大会のひとつ全米の決勝に進出するまでになった。そして世間はこの快挙に大変な盛り上がりを見せている。これがきっかけで第4次テニスブームが起きてもおかしくない。

 考えてみれば、これまでの3回のブームは日本選手の活躍によって起きたものではない。スポーツの人気を盛り上げ、競技人口を増やすきっかけになるのは日本人選手の活躍であることが多い。野球でも時代時代でそうしたスターがいるし、サッカーなど他の競技でもそう。

 日本のテニス界でもそうした存在はいなかったわけではない。70年代に全米と全仏で3回戦まで進出した坂井利郎氏、やはり全米で3回戦まで勝ち進んだ神和住純氏、そして1995年のウインブルドンでベスト8まで行った松岡修造氏だ。また、女子ではクルム伊達公子がWTAツアー通算14勝、全米・全仏・ウインブルドンでベスト4に入り、シングルスの世界ランクで4位までになっている。だが、その存在はブームをつくるまでにはならなかった。

 層の厚いテニスで世界のトップに近づいた彼らの功績は大きいし、テニスファンはそのプレーに注目していた。だが、錦織の今回の快挙は別格だ。普段はテニスを見ない人まで驚かせているのである。

 Jリーグができ、日本代表が実力を上げてW杯に出場するようになったことで、子どもにサッカーをやらせる親が増えたが、これからはテニスをやらせようという人も増えそうだ。また、昔プレーしていて今は遠ざかっている人も、再びラケットを握りたくなっているのではないか。

 テニスブームが起こりそうな気配は濃厚。決勝のマリン・チリッチ(クロアチア)戦が、それを決定づけることになるだろう。