都会の駅前になぜ、白いビーチが?<br />異空間に集まる人々から繁盛店の時流が見える白い砂浜で平日朝から遊ぶ親子連れ。砂浜は土足厳禁 Photo by Takeyuki Iwasaki

都会になぜ白い砂浜が?

 モノあまり、店あまりの昨今、新しい店ができても、すぐに飽きられてしまうことも珍しくありません。そんな時代に、まったく新しいコンセプトの商業施設がオープンし、話題になっています。

「MAGIC BEACH(マジック・ビーチ)」は、東京・銀座から電車で15分ほど。最も目を引くのは、大都会に現れた真っ白な砂のビーチです。

「えっ、これ何?」と多くの方が思うようなこの空間に、水着姿の女性や小さい子どもを連れた若いママさんたちなど、沢山の方々が訪れています。

 なぜ駅前に砂浜なのか?
 この場所にたくさんの人が押し寄せる理由とは何か?

 マジックビーチから、これからの集客施設のトレンドを探ります。

都会でこそ味わいたい、リゾート感覚

 新橋から「ゆりかもめ」に乗って新豊洲駅(東京都江東区)に到着すると「ここは本当に都会の駅前なのか?」と目を疑いたくなるほどの異空間が広がっています。

都会の駅前になぜ、白いビーチが?<br />異空間に集まる人々から繁盛店の時流が見える新豊洲駅ホームから見たマジックビーチの全景
Photo by T..I.

「MAGIC BEACH」(マジック・ビーチ)は6月16日にオープンしたスポーツ、アウトドア、イベントをキーワードにした新複合施設です。正確な施設名は「another style town MAGIC BEACH」といいます。

 同施設は2016年10月(予定)までの3年間の期間限定営業。

 産経新聞社と、「TABLOID」「WILDMAGIC」などを企画・プロデュースするRECREATIONS株式会社の2社による共同運営となっています。

 今回は、RECREATIONSの原田康弘社長にお話を伺うことができました。原田社長は飲食業界では知られた存在で、恵比寿や渋谷にオープンさせた個室居酒屋の元祖「忍亭」など、常に新しい業態を世の中に誕生させてきました。その原田社長が今回着目したのが、東京・江東区豊洲の新豊洲駅前でした。

 実はここにはマジックビーチに先立って「WILDMAGICアーバンアウトドアパーク」という都市型キャンプ場が2012年7月にオープンしていました。16,000m2の敷地にテントやコンテナ、カフェなどが並び、多い時は1日に1300人が来場し、今も集客を続けています。

 同施設をプロデュースしたのはスーパープロジェット株式会社(大阪市)。東京ガス用地開発の土地を賃貸し、1億ほどの投資をして開発した元祖・都会のキャンプ場です。当時、同社のエグゼクティブプロデューサーだった原田氏は、開発に関わるなかで、キャンプやバーベキューなどの「都会のアウトドアニーズ」を肌で感じとり、今回のマジックビーチ開発へとつながっていったといいます。