住民投票で分離独立が決定されれば、2016年3月にも独立することが計画されている。当然、英国との合意に基づく住民投票であり、独立の実現なのだから、独立までの過程で両国にとって最も好ましい関係を模索する努力が、払われることになる。

 両国関係構築の内容次第では、前述したダメージが緩和されていくことも十分考えられる。サモンド・スコットランド首相は、ポンドの継続使用、北海油田の継承、EUへの加盟を表明しているようである。これらはいずれも難題である。

ポンド使用、北海油田、EU加盟
英国と協議すべき課題は山積

 まず、スコットランドが分離独立することは経済運営がスコットランド当局の下に帰属するということであり、英国との財政・金融政策などの統合なくして、通貨同盟が構築され、ポンドが維持されるとはおよそ考えにくい。

 北海油田の継承は、両国間でのすべての資産・債務の振り分けについての合意が前提になる。英国の資産とスコットランドの資産をどう分類し、国家債務をどのような原則で振り分けることになるのか。これは極めて時間のかかる厳しい交渉プロセスとなり、最も大きな課題となるのだろう。

 またEUには、加盟国から分離独立した国の加入手続きは整備されておらず、スコットランドが直ちにメンバーとなることはない。EUはギリシャなどの公的債務危機で進展が阻害されたが、スコットランド問題はEUの「深化と統合」のプロセスにとって、新たな課題となる。果たして、2016年3月までにこのような難題が整理されることになるか、大いに疑問が残る。